キャリア(Carreer)と聞くと、皆さんは、何を思い浮かべられますか?「お仕事」のことを思い浮かべられた方が多いことでしょう。辞書的な意味としては、「経歴」となります。勿論、「お仕事」も経歴の中の一つなのですが、現在は、「お仕事」だけでなく、プライベートも含めた「人生全般の経歴」についてを、キャリアと捉える流れとなってきています。
87,600時間の恐怖
突然ですが、上記に挙げた時間ですが、何の時間かお判りでしょうか?結構長い時間ですよね。この時間は、人の生涯における概ねの総労働時間を表したものです。
大学卒業後の23歳から就職して、65歳で定年となったモデル・ケースで考えてみると、
42年(勤続年数)×52.14週(1年間の週数)×40時間(2024年現在の1週間の所定労働時間、労働基準法で決められています)=約87,600時間という数字となるのです。このケースより早く就職された方、今後定年が延長され退職が遅くなられた方、残業が多い方等は、この時間が更に長くなっていきます。期間に換算すると、10年余りとなります。人生の中の10年間は、このようにお仕事に時間を使っていることになるのです。
人生100年時代を迎える中で、お仕事の期間が10年とすると、生涯の10分の1(20代からと考えると8分の1)を占めることになりますが、この期間をどう過ごしていくのか、楽しく希望に溢れた期間を過ごすのか、苦しく失望に打ちひしがれた期間を過ごすのかで、仕事以外の「人生全般」の質にも、大きく影響を与えることになります。
様々なキャリア観
上で見たように、仕事がキャリアを考える上で、大切な事項であることに、間違いありません。
厚生労働省は、「過去から将来の長期にわたる職務経験やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖を指すものです。「職業生涯」や「職務経歴」などと訳されます。」と、キャリアを定義しています。
キャリア支援の団体の一つであるJCDA(キャリア開発協会)は、「キャリアとは、仕事も含めた人生全般を意味する言葉であり、その人自身の価値観や生き方に深く結びついている言葉なのです。」と、キャリアを仕事も含めた人生全般として、定義しています。
一般的にキャリアと言えば、「職業生涯」指すことが多いのですが、現在は「人生全般」を指す方向に推移してきtれおり、その場合「ライフ・キャリア(Life Career)」として、使い分けたりしています。
キャリア形成の必要性
グローバル化、国際化、産業構造の変化、IT等の技術革新、少子高齢化(少産多死)、人生100年時代等、社会や自分を取り巻く環境は、年々変化が激しくなってきています。このような様々な変化に対応するためには、自律的に考え、選択し、行動していく必要があります。自分のキャリア(仕事も含めた人生全般)について考えていくことが、これからの自分の人生を切り拓いていくための、最初のスタートになってきています。
キャリアを考える手始めとしては、自分自身を理解すること(自己理解)が、その第一歩となります。大学等のキャリア教育の授業や、ハローワークの相談で、「自己理解」のワークに取り組まれた方も多いことでしょう。一人で黙々と取り組まれたり、他のメンバーと共有したりする中で、「自己理解」(新たな気づき)が増し、進むべき方向性が明確になってきたのではないでしょうか?これから、皆さんのキャリア形成の一助となるように、「キャリア」について有益となる情報を、順次シェアさせて頂きます。